家族症候とは、法橋が新しく提唱した専門用語であり、“主観的および客観的な家族データにもとづき、看護職者が総合的に査定した家族システムユニットの困難状態”のことです。あまたの家族ケース検討や長年の臨地経験などをとおして、“家族の勢力構造の歪曲”“家族レジリエンスの発達不足”“家族インターフェイス膜の調節の不調”など、59の家族症候が明らかになっています(2017年5月現在)。家族症候を理解することで、具体的な家族支援を計画、実施することが可能になります。
家族同心球環境理論(Concentric Sphere Family Environment Theory,CSFET)は、家族のウェルビーイングに作用する家族環境をホリスティックにとらえるために、法橋が新しく提唱した家族看護学における理論です。これにもとづいて、家族アセスメントモデル(家族症候のラベリングも含む)、家族インターベンションモデルなどが開発されています。
- 参考文献
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Hohashi, N., & Honda, J. (2011). Development of the Concentric Sphere Family Environment Model and companion tools for culturally congruent family assessment. Journal of Transcultural Nursing, 22(4), 350-361. doi:10.1177/1043659611414200 (Impact factor: 0.953)
法橋尚宏,樋上絵美,小林京子,山下知美,永冨宏明,本田順子,ほか.(2010).新しい家族看護学:理論・実践・研究.法橋尚宏(編集).東京:メヂカルフレンド社.